2023-06-19
「完全室内飼いにしたいのに、猫が網戸を破って出て行ってしまう」という悩みを抱えている飼い主さんは少なくありません。
網戸を破る以外にも、体当たりして網戸を外したり、よじ登って網戸の目を広げたりするので、対策に悩んでいる人も多いでしょう。本記事では、猫が網戸を破る原因にも目を向けながら、網戸を破られないための対策法をご紹介します。
猫が網戸を破るのは、決して珍しいことではありません。破るだけでなく、よじ登ったり、網戸を前脚で開けて脱走したり、体当たりをして網戸そのものをレールから外してしまうこともあります。
まずは、猫が網戸に対してどのようないたずらをするのか、考えられるパターンをみていきましょう。
猫が網戸にするいたずらと聞いて、多くの人が思い浮かべるのが、引っ掻いて破くことでしょう。猫の爪は鋭く、前脚の力もそれなりにあるため、少し引っ掻いただけで網戸が破れてしまうことがあります。
猫によっては、網戸を引っ掻いたときの感触が好きで、爪とぎ代わりにしているケースも考えられます。猫に網戸を破られないために、年中雨戸を閉めている家もあるのではないでしょうか。
風通しをよくするために少し網戸を開けておくと、爪を立てて上まで登ってしまう猫がいます。猫にしてみれば楽しいかもしれませんが、猫に上られた網戸は目が歪み、網戸が傷む原因にもなります。
子猫やシニア猫などは、登ったものの降りられなくなってしまったり、無理に飛び降りてケガをしてしまったりすることもあります。
猫の前脚の力は、意外と強いものです。小さい猫だから大丈夫だと思っていても、網戸程度の軽い引き戸なら、難なく開けてしまいます。
成猫なら3cm程度の幅があれば通り抜けられるので、わずかな隙間から脱走してしまうことも珍しくありません。網戸が開かないようにテープを貼っておくほか、突っ張り棒を設置している家庭もあるのではないでしょうか。
大柄な猫の場合、体当たりをして網戸そのものをレールから外してしまうこともあります。体重が5~6kgある猫は、滑りのよい網戸程度なら簡単に枠ごとレールから外して脱走できるため、網戸を張り替えても対策にならないケースもあります。
猫が体当たりをして網戸をレールから外す場合は、猫が網戸に近づかなくなるような対策が必要です。
少し目を離した隙に、網戸を破って外へ脱走してしまい、そのたびに叱るものの猫はちっとも止めてくれない、とお悩みの飼い主さんは少なくないでしょう。
そんな猫の行動には、いくつかの理由が考えられます。猫が網戸にいたずらをする原因を解説します。
猫が網戸にいたずらをするひとつの原因は、ストレスです。とくに完全室内飼いで運動不足の猫は、網戸をよじ登ってストレスを発散させていることがあります。
猫は、もともと運動好きな動物です。もし室内で十分に運動できていないようなら、キャットタワーを設置したり、時間を作ってたっぷり遊んであげたりするとよいでしょう。
なかには、網戸をおもちゃだと思っている猫もいます。網戸は猫の爪が引っかかりやすいので、爪をひっかけてよじ登る遊び場だと思っているケースも少なくありません。
網戸に虫が止まったりすると、その虫を捕まえようとよじ登ったり、網戸にジャンプして飛びついたりします。室内にキャットタワーなど猫の遊び場が少ない家の場合、網戸がキャットタワー代わりになってしまっているのです。
野良暮らしが長い猫や、家の中と外を行き来することが当たり前だった猫にとって、家の中だけの生活は退屈なものです。
生まれたときから完全室内飼いの猫に比べると、外の世界知っている猫のほうが外に出たい気持ちは強いでしょう。家の中の生活に退屈したときに、網戸を破って脱走を試みることがあります。
網戸へのいたずらをどうにかして止めさせたいとお悩みの飼い主さんに、ぜひ試してみてほしい対策を5つお伝えします。
猫が網戸に体当たりして外してしまうようなら、網戸の手前にフェンスを設置してみましょう。
ペットショップなどでは、猫の侵入を防ぐためのフェンスが市販されています。フェンスは、猫が上に登れない程度に幅が狭い丈夫な板でも代用できます。
ホームセンターにはさまざまな板が売られているので、部屋の雰囲気に合わせて選んでみましょう。猫が直接体当たりできないようにすることで、網戸を外して脱走するリスクを減らせます。
猫が網戸に爪を立てて引っ掻く場合は、引っ掻き防止スプレーを使用するのもよい方法です。ペットショップには、猫のしつけのためのスプレーが売られています。
引っ掻き防止スプレーを使えば簡単に猫を遠ざけられますが、猫にも個性があるため、効果のほどは個体差があります。1種類使ってみて効果がないときは、別の成分を配合したスプレーを試してみましょう。
猫の爪を切ることも、網戸へのいたずらを防ぐうえでとても大切です。猫の爪を切らずに放っておくと、伸びすぎて肉球に刺さってしまったり、引っ掻かれたときに飼い主さんがケガをしてしまったりするので、こまめに切ってあげましょう。
猫の爪を切るときは、バスタオルに包んだり、洗濯ネットに入れたりして、猫が暴れないようにして行います。後ろから抱きかかえた状態で肉球を押して爪を出し、先端のとがっている部分を2~3mm程度カットしてください。
猫の爪の根元には「クイック」と呼ばれる、神経や血管が通ったピンクの部分があります。ここは決して切らないように注意しましょう。
猫の爪は、前脚よりも後ろ脚から、内側(親指側)の爪よりも外側の爪から切っていった方が切りやすいです。成猫は1か月に1回を目安に、子猫やシニア猫は2週間に1回を目安に爪を切ってあげましょう。
敏感な指先を無理やり掴まれて爪を切られるのは、猫にとって怖いものです。子猫の内から抱きかかえて手足の先を触るなど、爪切りの体勢に慣れさせておくとスムーズに切れます。
もしどうしても自分で切れない・切るのが怖いという場合は、獣医師やトリマーなどのプロに相談してみてください。
猫が運動不足になっているようなら、猫のお気に入りの場所にキャットタワーを置いたり、おもちゃを使って猫が飽きるまで遊んだりしてあげましょう。
網戸などへのいたずらが増えただけでなく、最近体重が増えたり、毛づくろいの頻度が増えたりした場合、運動不足に陥っている可能性があります。
猫の運動時間は、体が引き締まっている短毛種(日本猫やロシアンブルー、アメリカンショートヘアなど)は20~30分が目安です。ペルシャやチンチラ、メインクーンといった長毛種の猫は、10~15分程度を目安にしましょう。
足腰が弱ってきたシニア猫は、一度に10~30分程度運動させるとケガをしてしまうことがあります。シニア猫の場合は無理をさせず、1回10分程度の運動を2~3回行うとよいです。
ここまで紹介した対策をしても猫が網戸にいたずらをする場合は、網戸ネットを丈夫なものに張り替えるのもひとつの手です。
通常の網戸ネットはポリプロピレン製のものが多く、強度があまりありません。しかし最近は、ステンレス製や樹脂でコーティングされたペット用網戸ネットなども広く市販されています。
見た目は普通の網戸と変わらず、通気性も確保できるので、戸は開けたいけれど網戸を破られたくない人は張替えを検討してみましょう。
猫が網戸にいたずらをするのには、理由があります。網戸へのいたずらを防ぐには「外に出たい」「遊びたい」「運動したい」といった猫の気持ちにも目を向けて対策をすることが大切です。
網戸を破られないようにするには、フェンスを設置したり引っ掻き防止スプレーを使ったりするほか、猫の爪を切ったり、丈夫な網戸ネットに張り替えたりするのがおすすめです。猫のいたずらに悩んでいる飼い主さんは、記事中で紹介した対策を参考にしてください。