2024-11-28
日本伝統の和室は、いつも私たちに癒しの空間をあたえてくれます。ただ、自宅に和室を一から作るのは、手間や費用がかかるため、一歩が踏み出せない方も多いのではないでしょうか。そこで最近では、床の上にそのまま設置できる「置き畳」で、気軽に畳のある生活を楽しむ人も増えてきました。
この記事では、置き畳のもつメリットとデメリットを紹介しつつ、実際に自宅に設置する際に注意すべきことを具体的に解説していきます。
自宅に和のスペースを作りたい方や、置き畳に興味がある方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
置き畳は、好きな場所に簡単に設置でき、自宅を和の雰囲気に変えることができます。ただし、良い点も多い置き畳にも、注意すべきデメリットがあります。
置き畳の設置を検討されている方は、メリット・デメリットを確認しておくとよいでしょう。
まずは、置き畳のもつメリットを紹介していきます。
置き畳は、女性の方でも簡単に持ち運ぶことができ、手軽に設置できるというメリットがあります。
和の空間を作りたいと思ったときに、フローリングから和室に変えるには、大幅なリフォームが必要になります。しかしながら、置き畳であれば好きな場所に配置するだけで、低コストで和の雰囲気を演出することができるとともに、手間も最小限です。
また、簡単に設置できるということは、必要のないときは収納することもできます。「手軽に自分の好きな場所に、好きなタイミングで設置できる」これこそが、置き畳を選ぶことの、最大の魅力といえるでしょう。
豊富なデザインとサイズが揃っているのも、置き畳の魅力のひとつです。カラーも多数あり、自宅のインテリアや雰囲気に合わせて、明るいカラーやダークカラーなどを選ぶことができます。
通常、一辺が60〜90cm程度 の正方形である置き畳は、組み合わせ次第で、さまざまなサイズに加工できる商品もあります。
イメージに合わせて大きさを加工することで、部屋全体にぴったりと敷き込むこともできるため、こだわりのカラーで自分だけのお部屋を楽しむことができます。
フローリングと違って、通常15〜30mm程度の厚み があるため、クッション性が高いというメリットがあります。
このクッション性の高さにより、衝撃吸収効果や防音効果にもつながります。よって、マンションにお住まいの方や、お子様が小さい方、ご高齢の方には、転倒時の怪我予防や騒音対策にもなるでしょう。
また、このクッション性があることで、ゴロンと寝転ぶことができるのも魅力のひとつです。お昼寝などで横になれば、い草のよい香りに包まれて、癒されること間違いなしです。
い草を主原料とした畳は、定期的な日陰干しや張り替えなどのメンテナンスが必要です。
しかしながら置き畳は、メンテナンスは同じ方法となりますが、簡単に持ち運びができるため、日陰干しや張り替えなど、お手入れがしやすいというメリットがあります。そのため、もし一部のい草が傷んでしまった場合でも、傷んだ部分だけ置き換えることも可能です。
また、い草だけでなく紙や化学製品など、さまざまな素材のものがあります。お手入れのしやすさを重要視する方は、ぜひ撥水性や抗カビ・抗菌性に優れたものを選択しましょう。
では次に、置き畳のもつデメリットも紹介していきます。
まずは、素材にい草を使用しているため吸水性が高く、水に濡れたままで放置すると、カビが発生しやすいというデメリットがあります。雨が多い季節などは、換気や掃除をこまめに行い、カビが発生しないように注意することが大切です。
掃除する際は、掃除機を畳の目に沿っていった後、雑巾などで乾拭きし、水をこぼしてしまった場合には、乾いたタオルでしっかりと拭き取りましょう。
また、カビやダニの発生が心配な方は、素材が化学製品のものを選択することを、おすすめします。撥水性が高く、抗カビ・抗菌作用のあるものを選ぶことで、お手入れがとても簡単になるでしょう。
持ち運びが簡単で、床に直接設置できる置き畳は、あまり重さがないため、ずれが生じやすいというデメリットがあります。よって、ずれ防止対策として、設置には少し工夫が必要です。
ずれることにより、床に傷がついてしまう可能性があるとともに、置き畳の間の隙間に、ゴミやほこりが溜まりやすい状態となってしまいます。
隙間にゴミやほこりが溜まってしまうと、カビやダニの原因となるため、定期的に一枚一枚めくって掃除をする必要があり、とても手間がかかります。
ずれを最小限にするには、滑り止め機能がついたものを選択するか、レイアウトを工夫する必要があります。部屋全体に設置したり、壁際に設置したりすることで、ずれは少なくなるでしょう。
置き畳の費用は、通常の畳と比べると低コストです。しかし、ほかのジョイントマットやラグと比較すると、値段が高くなってしまうのがデメリットです。
そのため、子どもやペットがいる家庭で、汚れたりして買い替えを頻繁にする場合は、ジョイントマットやラグと比べると、コストは高くなるでしょう。
ただし、畳にはクッション性により騒音防止や転倒時の衝撃吸収性など、高い機能性があります。また、化学製品の素材を選択すれば、耐久性や撥水性など、さらに機能は高くなるでしょう。
ポップな印象のジョイントマットと比較し、自宅のインテリアや雰囲気に馴染みやすく、デザイン性が高いのも魅力です。ほかのマットなどと迷った際には、値段だけでなく、ライフスタイルに合った機能性とデザイン性を考慮に入れ、検討することが大切です。
和の空間を手軽に演出できる置き畳ですが、設置する際には、注意すべきポイントがあります。
まずは、設置する前に、置き畳をどの場所にどのような用途で使用したいのかを明確にし、必要な厚みとサイズを選択する必要があります。
サイズは、設置したい場所の複数箇所を測定し、部屋から畳がはみ出さないように計算する必要があります。また、置き畳の厚みに関しては、厚すぎると段差ができるため、子どもや高齢者が使用する場合には、躓いて転倒のリスクが生じてしまいます。
ただ薄すぎると、クッション性が低下するため、衝撃吸収や騒音防止効果が低下するとともに、少し硬く感じる可能性もあるでしょう。
したがって、必ず設置する前に、部屋の用途や使用する家族構成などを考慮に入れたうえで、置き畳の厚みやサイズを選択するようにしましょう。
直接床に設置する置き畳は、設置前に床との相性を確認する必要があります。相性が良くない床は、無垢フローリングや複合フローリング・凹凸がある床などです。
無垢フローリングでは、畳の角が擦れやすいため、フローリングに傷がつく可能性があります。また、複合フローリングや凹凸のある床も、ずれが生じやすく、傷つきやすいという特徴があります。
さらに、床暖房との相性も考慮する必要があります。床暖房に対応した置き畳を使用しないと、畳やフローリング自体が変形する危険性もあるため、しっかり確認するようにしましょう。
置き畳を設置する際には、通常の畳同様に、定期的な掃除と換気が大切です。畳の主な原材料は、い草です。素材として、紙素材や化学製品も多くありますが、やはりい草でしか出せない温かみや香りが、置き畳の魅力のひとつです。
い草は、吸水性に優れており、調湿効果と殺菌効果も高いといわれています。ただし、雨が続く季節など湿度が高い日が続くと、カビが繁殖してしまう可能性があります。
よって、置き畳においても、掃除機を使用したり、雑巾で乾拭きするなど、定期的な掃除と換気を徹底しましょう。
また、置き畳の特徴として、床との間にも、ゴミやほこりが溜まってしまい、気づいたときにはカビやダニが畳の裏側に繁殖している場合もあります。フローリングの傷や汚れをチェックする意味でも、置き畳をめくり裏側も掃除をしましょう。
それでは、実際に置き畳は、どのような基準で選んでいけばよいのでしょうか。
ここからは、置き畳を選ぶ際に、どのように選んでいけばよいか、さまざまな視点からポイントをご紹介していきます。
まずは、大きさで置き畳を選ぶ方法です。置き畳の大きさは、一辺が60〜90cm程度の正方形が一般的です。一辺の長い、大きい置き畳は、継ぎ目が少ないため、ゴミやほこりがたまりにくい反面、レイアウトが難しいという特徴があります。
逆に、小さい置き畳は、継ぎ目が多く掃除が大変ではありますが、レイアウトの自由度が高いため、狭いスペースに設置したい場合には、おすすめです。
設置スペースに合う大きさを選択するとともに、お手入れの手間などを考慮に入れ、置き畳の大きさを選ぶようにしましょう。
次に、置き畳を素材で選ぶ方法を、ご紹介します。置き畳は、主に素材として、い草・紙素材・化学製品が使用されています。
い草は、い草特有の優しい香りや質感を楽しめるとともに、調湿効果や殺菌作用、リラックス効果など優れた機能をもっています。ただし、湿度が高い状態が続くことで、カビが繁殖しやすいため、定期的な換気と掃除が必須です。
紙素材は、い草の風合いはありませんが、カラーの種類が多く、軽くて耐久性にも優れ、撥水効果もあるためメンテナンスのしやすさが魅力です。
化学製品は傷やカビに強く、撥水効果もあるため、メンテナンスの手間が少ない素材です。日焼けや変色しにくく、リーズナブルで長持ちする点も魅力です。
このように、置き畳を選ぶ際には、それぞれの素材の特徴を考慮に入れ、ライフスタイルに合わせて選択することが大切です。
置き畳は、縁の有無を選択することができます。縁がある置き畳は、畳の和の雰囲気をより演出できるとともに、畳を並べた際の摩擦を予防できます。
縁がない置き畳は、見た目がスタイリッシュでモダンな雰囲気を演出することができ、洋室の空間に合わせやすいという特徴があります。
置き畳は多くの面積を占め、部屋の雰囲気を決定づけるアイテムのひとつです。縁の有無で雰囲気がガラッと変わるため、どのようなテイストの部屋にしたいかをしっかり検討して、選択するようにしましょう。
置き畳には、床との相性があるため、まずは傷に強い床なのかを確認のうえ、置き畳の設置を検討することが大切です。
無垢のフローリングは、傷に弱い特徴があるため、置き畳の使用はおすすめしません。また、複合フローリングや凹凸がある床では、置き畳の滑り止め効果が弱まり、床との間でずれが生じる可能性があります。
床との相性が悪く、ずれや摩擦が生じると、フローリングを傷つける要因となるため、置き畳を選ぶ際には、床の素材をしっかり確認することが大切です。
置き畳は、ライフスタイルに合わせて、機能性で選ぶこともひとつの方法です。設置場所の環境や、家族構成などもしっかり考慮に入れることが大切です。
お子様やペットなどがいる場合には、耐久性や撥水性に優れ、カビや傷に強い紙素材や化学製品のものを選択することで、メンテナンスの手間を最小限にすることができます。
また、和の空間のもつ温かみやリラックス効果を重要視する場合には、い草を主原料とした置き畳を選択する方がよいでしょう。
さらに、素材のもつ機能性だけでなく、部屋の一部に置き畳を設置する場合には、ずれも生じやすいため、壁際に設置しつつも、滑り止め機能の付いたものを選ぶようにしましょう。
このように、設置場所や設置後のライフスタイルに合わせて、置き畳を選択することで、メンテナンスなどの手間を少なくし、畳のもつ癒しの空間を演出することができるでしょう。
気軽に設置できる置き畳も、定期的なお手入れが必要です。できるだけ長く綺麗に置き畳を維持するために、どのようなお手入れをするのか、張り替え時期なども解説していきます。
置き畳の普段のお手入れ方法として、畳の目に沿って掃除機をかけた後に、雑巾で乾拭きするのが一般的です。頻度としては、毎日行うことがベストですが、可能なかぎり定期的に行うことが大切です。
ただし、雨が多く湿度が高い時期には、置き畳の吸湿性の高さから、カビやダニを繁殖させてしまう可能性があります。ゴミやほこりは、カビやダニの餌となるため、しっかり掃除を行うとともに、換気も行うようにしましょう。
また、置き畳はさまざまな素材で作られており、お手入れ方法には少し違いがあります。
たとえば、い草の場合には、掃除機と雑巾での乾拭きが理想的です。また、畳の目に沿って、優しく丁寧に掃除を行うことが大切で、乱暴にゴシゴシと擦ってしまうと畳が傷み、ささくれの原因となってしまいます。
紙素材の場合は、耐久性に優れているため、い草と同様に掃除機と雑巾での乾拭きを行いましょう。強く擦ると白く変色する場合があるため、注意が必要です。
化学製品の場合は、い草や紙素材と比べ、非常に丈夫です。普段のお手入れは、掃除機だけで十分です。また、ほかの素材ではできなかった水拭きも可能であり、アルコール除菌なども使用できます。
置き畳は、5年前後 を目安に変色や傷が目立つようになり、寿命を迎えます。主にい草が使用されている置き畳では、年月とともに吸湿性も低下し、い草特有の優しい香りも失われてしまうため、その時期に張り替えを行うのが一般的です。
しかし、紙素材や化学製品の置き畳では、耐久性が強いため、寿命はもっと長くなります。
置き畳によって、畳表のみを張り替えられるものや、張り替え自体ができないものもあります。張り替えができないものは、新しく購入する必要があるため、置き畳を選択する際に、確認しておくことをおすすめします。
和室を作ろうとすると、通常大幅なコストと手間がかかるものです。その点、さまざまな素材やサイズ、カラーなどが豊富な置き畳は、自分の好きな場所に、好きなタイミングで設置でき、簡単に低コストで、インテリアに和の雰囲気をプラスすることができます。
この記事では、置き畳を設置するメリット・デメリットの解説から、設置する際の注意点やメンテナンス方法をご紹介してきました。
置き畳は、気軽に設置できるだけでなく、さまざまな素材のものも増え、撥水性や耐久性が高くメンテナンスがしやすくなったことにより、子どもやペットがいる家庭においても、取り入れやすくなっています。
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畳の張り替えを検討している方や、置き畳に興味がある方は、ぜひ一度ゆたか畳にご相談ください。