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紙魚とは?習性や日ごろからできる対策などを解説

2025-03-04

紙魚とは?習性や日ごろからできる対策などを解説

水回りや本棚などを掃除しているときに、小さな細長い虫を見かけた経験のある人もいるでしょう。このような虫は紙魚(しみ)と呼ばれる害虫の一種です。人間に直接害を与える虫ではありませんが、紙類が食害に遭う可能性があるため、注意が必要です。

この記事では、紙魚の特徴や生息しやすい場所について解説します。発生を防ぐための対策方法や発見した際の対処法についてまとめましたので、紙魚に悩んでいる人は参考にしてください。

紙魚とは

紙魚(しみ)は、全長8〜10mmほどの小型の昆虫で、銀色の光沢を持つ細長い体が特徴です。動き方に独特の特徴があり、体を波打たせるように進む姿が魚を連想させることから、その名がついたとされています。

紙魚は頭部に2本の長い触角を持ち、さらに尾部には3本の突起が伸びています。また、短い6本の脚を持ち、見た目から毛虫のような印象を受ける人も多いでしょう。

ここでは、紙魚が持つ異名と起原について解説します。

紙魚が持つ異名

紙魚は、独特な姿や生態からさまざまな異名を持っています。細長い体が魚のように見えることや紙を食害する性質があることから、日本では「紙魚」や「衣魚」として知られています。

湿気の多い場所を好むため「湿虫」と表現される場合もあります。また、銀白色の細かい鱗に覆われた体が光を反射し、キラキラと輝くことから「雲母虫」や「箔虫」といった名前もあります。

欧米では「silverfish(シルバーフィッシュ)」と呼ばれるケースが一般的です。銀色の体を持ち、素早く動く様子が魚を連想させるためです。

このように、さまざまな名前で呼ばれています。

紙魚の起源

紙魚は、約3億年前から地球上に存在していると考えられています。進化の過程でほとんど姿を変えていない極めて原始的な昆虫です。

現在見られる形態と大きく異ならないことから、環境適応能力の高さがうかがえます。昆虫のなかでも古い歴史を持ち、ゴキブリより先に誕生したとされています。

また、日本の伝統文学にも登場しており、平安時代中期の『源氏物語』には、書物を食害する虫として記述が見られます。さらに、季語としても使われ、俳句や和歌で存在が詠まれることもありました。

古くから人々の身近に生息して書籍や巻物などに影響を与えてきた紙魚は、まさに歴史とともに生きてきた生物といえるでしょう。

紙魚の習性・特徴

習性と特徴は、以下のとおりです。

● 紙を食べる
● 人間には無害
● 生命力が高い

それぞれの習性・特徴について解説します。

紙を食べる

紙魚は、セルロースを主成分とする紙や布を食べる習性を持つ昆虫です。とくに古書や掛け軸、和紙を使用した書類などが被害に遭いやすく、長期間放置された紙類は餌となる可能性が高まります。

製本の際に使われる糊やデンプン質の成分を好むのも特徴のひとつです。そのため、表紙の表面や装丁部分がかじられていることも少なくありません。

ただし、紙魚が直接穴を開けるほどの被害を与えることは稀です。書籍に小さな穴が点在している場合は、別の害虫であるシバンムシ類などが関与している可能性があります。

また、紙魚は紙だけでなく、衣類や壁紙、ダンボールなどにも影響を及ぼすため、発生を放置すると被害が広がるおそれがあります。重要な文書や貴重な書籍を守るためにも、適切な管理と予防策が欠かせません。

人間には無害

紙魚は、独特な姿から害のある虫と誤解されがちですが、人間に対して危害を加えることはありません。刺したり噛んだりせず、毒を持つわけでもないため、健康被害の心配は不要です。室内で見かけても、数匹程度であれば害を及ぼすことはありません。

しかし、紙魚は主に和紙や布製品を食害するため、障子や襖、掛け軸といった日本の伝統的な素材で作られたものが被害を受ける可能性があります。とくに、古文書や美術品などの貴重な資料が食害されると、修復が困難になる場合もあるため注意が必要です。

そのため、紙魚は「博物館の天敵」とも呼ばれ、文化財の保護対策が求められています。

生命力が高い

紙魚は、極めて高い生命力を持つ昆虫の一種です。餌がまったくない環境でも、1年以上生存できることが確認されています。

そのため、長期間放置された倉庫や書庫の奥でも生き延びられます。

また、寿命も比較的長く、7~8年ほど生きる個体もいます。昆虫のなかでは長寿であり、何度も脱皮を繰り返しながら成長します。

さらに、紙魚は夜行性であり、日中は本棚の裏や家具の隙間、暗い収納スペースなどに潜んでいます。夜になると活発に動き出し、室内のわずかな光や振動に反応して素早く移動するため、目撃すると驚くことが多いでしょう。

紙魚が侵入する場所

紙魚は、湿度の高い環境を好みます。したがって、通気が悪く、暗い場所には潜みやすい性質を持っているといえます。

夏場はとくに活動が活発になり、以下の場所で見かけることが増えるでしょう。

● クローゼットの中
● 本棚の奥
● キッチンのシンク下
● 洗濯機の下
● トイレ
● 浴室周辺

また、気温の変化が少ない環境を好む習性もあります。冬場でも、暖房が効いた部屋やエアコンを常に稼働させている空間では湿度が適度に保たれるため、紙魚が発生する可能性が高まります。

ペットを飼っている家庭では、犬や猫が誤って紙魚を口にすることも考えられるため、注意しなければなりません。

紙魚の侵入を防ぐ対策

紙魚の侵入を防ぐためには、以下6つの対策が効果的です。

● 侵入経路を塞ぐ
● こまめに掃除する
● 紙類はなるべく捨てる
● 捨てられない紙を虫干しする
● 湿度を管理する
● ラベンダーを取り入れる

それぞれの対策について解説します。

侵入経路を塞ぐ

紙魚は非常に小さな体を持ち、わずかな隙間があれば容易に室内へ侵入します。玄関の扉や窓の枠、エアコンの配管まわり、壁のひび割れなどは侵入経路となる可能性が高いです。こうした隙間を放置すると、いつの間にか紙魚が室内に入り込み、増殖する原因となります。

効果的な対策として、シリコンやパテを使って隙間を埋める方法があります。また、ドアの下や窓の隙間には、隙間テープを貼ることで侵入を防ぐことが可能です。エアコンや換気扇のダクト部分も見落としがちですが、専用の防虫カバーを取り付けると安心でしょう。

しかし、完全にすべての隙間を埋めるのは難しいです。そのため、ほかの防虫対策と併用しながら、継続的に対策を講じることが求められます。

定期的に点検して新たな隙間ができていないかを確認しながら、紙魚が侵入しにくい環境を整えましょう。

こまめに掃除する

紙魚の発生を防ぐためには、定期的な掃除が欠かせません。埃や髪の毛、虫の死骸などは害虫の栄養源となるため、溜まりやすい場所を重点的に清掃すれば、生息しづらい環境を整えられるでしょう。

とくに、以下のような紙魚が隠れやすい場所は、入念に掃除する必要があります。

● 本棚
● クローゼット
● タンスの裏

また、新聞紙やダンボール、古い書類などが積み重なっている部屋も注意が必要です。こうした紙類の間は紙魚にとって格好の隠れ家となります。不要なものは早めに処分し、保管する場合も定期的に整理しましょう。

掃除機を使って隅々までゴミを取り除くことに加え、湿気対策として拭き掃除するのも効果的です。紙魚は湿度の高い環境を好むため、部屋を常に清潔で乾燥した状態に保つことが、発生を未然に防ぐポイントとなります。

紙類はなるべく捨てる

紙魚の発生を防ぐためには、不要な紙類をできるだけ減らしましょう。とくに、以下の不要な紙類は、積極的に破棄することをおすすめします。

● ダンボール
● 古新聞
● チラシ
● 書類

いずれも放置すると湿気を含みやすく、紙魚の格好の住処になりやすくなります。そのため、できるだけこまめに処分し、長期間ため込まないように心掛けることが大切です。

また、紙袋や包装紙なども気づかないうちに積み重なりやすく、隙間に紙魚が潜む原因となります。保管する場合は、密閉できるプラスチックケースに入れることで、被害を軽減できるでしょう。本や雑誌を収納する際も適度に整理し、埃が溜まらないように注意してください。

紙魚は湿度の高い環境を好むため、紙類の整理と合わせて部屋を換気して、湿気をため込まないようにするのも効果的です。定期的な片付けを習慣化し、紙魚が発生しづらい環境を維持しましょう。

捨てられない紙を虫干しする

貴重な書籍や掛け軸、和紙などを紙魚の被害から守るためには、適切な保管と定期的な虫干しが効果的です。とくに湿気を含みやすい和紙は、長期間そのままにしておくと紙魚の格好の餌となるため、注意しましょう。

また、桐箱や密閉できる収納ケースに入れるのも有効な対策です。被害を防ぎやすくなりますが、それだけでは完全に湿気を防ぐことはできません。

なお、虫干しとは紙類を一定時間日光に当て、余分な湿気を飛ばして害虫の発生を抑える方法です。半年に一度ほど、晴天が続く乾燥した日に実施するのが理想的です。風通しのよい場所で陰干しすれば、直射日光による紙の劣化を防ぎながら湿気を取り除けます。

また、虫干しする際は本や巻物を広げ、風を通しながら自然に乾燥させることがポイントです。こまめに行うことで紙魚が発生するリスクを減らし、大切な紙類を長く保てるでしょう。

湿度を管理する

紙魚は湿気の多い環境を好むため、室内の湿度を適切に管理するだけで発生防止に役立ちます。換気が不十分な場所や水回りの近くは湿度が高くなりやすく、紙魚が生息しやすい環境となるため、注意が必要です。

また、紙魚は温度が一定に保たれた環境でも繁殖しやすい特徴があります。そのため、冬場でも暖房をつけっぱなしにする部屋では、活動が活発になる可能性があります。

とくにペットを飼っている家庭では、犬や猫が紙魚を誤って口にしてしまうケースも考えられます。紙魚による感染症のリスクを避けるためにも、発生を未然に防ぐことが重要です。

湿度を下げるためには、除湿機や調湿剤を活用すると効果的です。クローゼットや本棚の中など、湿気がこもりやすい場所には、炭やシリカゲルを設置すると湿度を抑えられます。

日頃から湿気対策を徹底し、紙魚が寄りつかない環境を整えましょう。

ラベンダーを取り入れる

紙魚は特定の香りを嫌う習性があり、なかでもラベンダーの香りは高い忌避効果を持つことで知られています。室内にラベンダーのアロマオイルやディフューザーを設置すれば、紙魚の侵入や発生を防ぐことが可能です。

クローゼットや本棚など、紙魚が潜みやすい場所にポプリやサシェを置くと、より効果的に予防できます。また、ラベンダーの香りは長期間持続するため、一度設置すると定期的な交換のみで対策を続けられるのも利点です。

化学的な防虫剤を使用せずに自然な方法で防げるため、小さな子どもやペットがいる家庭でも安心して取り入れられます。紙魚の発生を防ぐと同時に、室内の香りを楽しめる点も魅力のひとつです。

効果を維持するためにも、香りが薄くなったら新しいものと交換し、快適な空間を保ちましょう。

紙魚を発見した場合の対処法

発見時の対処法として挙げられるのが、以下の4つです。

● 殺虫剤
● ホウ酸団子
● ゴキブリ用トラップ
● ふかしたジャガイモ

それぞれの対策について解説します。

殺虫剤

紙魚を効果的に駆除する方法として、スプレータイプの殺虫剤の使用が挙げられます。市販の害虫駆除スプレーのほとんどは有効です。とくにゴキブリ駆除用のものは即効性があり、小型で素早く動く紙魚にも効果を発揮します。

成分としては「シフェノトリン」や「イミプロトリン」などのピレスロイド系化合物が含まれているものが有効です。神経系に作用し、短時間で駆除できる特性があります。

また、噴射した際に薬剤が広がるため、紙魚が潜んでいる隙間や家具の裏側にも届きやすいのが利点です。ただし、本棚や書籍の近くで使用すると、薬剤が付着して紙が変色したり、汚れが残ったりする可能性があるため、注意しましょう。

加えて、食品を扱う場所やキッチンでは直接吹きかけず、駆除後にしっかりと清掃することが望ましいです。適切な場所で殺虫剤を使用し、安全に駆除しましょう。

ホウ酸団子

紙魚を駆除する方法のひとつに、ホウ酸団子の設置があります。紙魚はタンパク質を含む餌に引き寄せられるため、ホウ酸団子を食べさせることで効果的に駆除することが可能です。市販品はほとんど販売されていないため、自作するのが一般的です。

作り方は簡単で、すりおろしたじゃがいもに以下の材料を混ぜ合わせ、団子状に成形した後、乾燥させるだけです。

● ホウ酸
● 小麦粉
● 砂糖
● 少量の油

その後、2日ほど風通しのよい場所で乾燥させます。乾燥させたホウ酸団子を紙魚が出やすい本棚の奥や家具の隙間に置くと、効果を発揮します。

ただし、ホウ酸は人やペットにとっても有害な成分のため、誤って口にしないよう十分な注意が必要です。とくに小さな子どもやペットがいる家庭では、設置場所を慎重に選び、安全対策を徹底する必要があります。

ゴキブリ用トラップ

紙魚の駆除には、ゴキブリ用の粘着トラップが効果的です。紙魚は暗く湿った場所を好み、壁際や家具の隙間を移動する習性があるため、通り道に設置すると効率よく捕獲できます。おすすめの設置場所は、次のとおりです。

● 洗濯機の下
● 本棚の奥
● キッチンのシンク下

なお、ゴキブリ用トラップは、強力な粘着シートによって一度捕まえた害虫を逃がさない仕組みになっています。殺虫成分を含まないため、小さな子どもやペットがいる家庭でも安心して使用できるのが利点です。

また、紙魚だけでなくゴキブリなどのほかの害虫にも効果があるため、害虫対策の一環として取り入れるとよいでしょう。設置後は定期的にトラップの状態を確認し、捕獲された紙魚が増えてきたら新しいものに交換することが大切です。

生息範囲を把握しながら適切に配置すれば、より高い駆除効果が期待できるでしょう。

ふかしたジャガイモ

紙魚を効果的に誘引して一度に捕獲する方法として、ふかしたじゃがいもを活用する手段があります。じゃがいもに紙魚が好む成分が多く含まれているため、集まりやすくなります。この特性を利用すれば、簡単に駆除することが可能です。

準備は簡単で、じゃがいもを蒸して柔らかくし、ペースト状にしたものを厚紙や紙皿の上に薄く広げるだけです。紙魚が潜みやすい本棚の裏などに2日ほど設置しておくと、効果を発揮します。集まった紙魚ごと処分できるため、手を汚さずに駆除できるのも利点です。

ただし、長期間放置すると腐敗して悪臭の原因となるため、設置後は適切なタイミングで処分しましょう。また、効果を持続させるために定期的に新しいものに交換し、発生状況を確認しながら対策しましょう。

紙魚の駆除が難しい場合

紙魚は人間に害を及ぼすことはありませんが、大切な書籍や文書、衣類などを食害するため、早めの対策が必要です。通常の駆除方法で改善されない場合や、大量に発生してしまった場合は、専門業者に依頼するとよいでしょう。

実際、発生源の特定が難しく、見えない場所で繁殖しているケースも少なくありません。長期間被害が続いている場合は、家の構造や環境が紙魚に適している可能性が高く、自己対策では根本的な解決が難しくなります。

このような場合であっても、害虫駆除の専門業者であれば、侵入経路の特定や発生原因の分析をして効果的な駆除方法を提案してくれます。定期的な掃除や湿度管理を行っても紙魚が減らない場合はプロに相談し、徹底的な駆除を検討しましょう。

こちらの記事では、畳のダニ退治の効果的な方法や、発生を防ぐ方法を解説します。ぜひあわせてご覧ください。

まとめ

紙魚は湿気を好み、紙や布を餌とする害虫です。紙魚の発生を防ぐには、定期的な清掃や湿度管理が効果的です。すでに発生してしまった場合は、殺虫剤やホウ酸団子、粘着トラップを使用すると効果的に駆除できます。

こうした対策を講じているにもかかわらず、紙魚の被害が続く場合や大量発生している場合は、専門の害虫駆除業者に相談するのが確実です。適切な処置を施せば、書籍や衣類を守れるでしょう。

紙魚による被害のひとつに、障子の穴あきがあります。大切な和室の美観を損なわないためにも、障子や網戸の張り替えを検討してみてはいかがでしょうか。

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