2022-08-08
畳にお茶やジュースなどをこぼすとしみになってしまいます。小さな子どものいる家庭をはじめ、畳に飲み物をこぼしてしまい困った方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は「なぜしみができやすいのか」「しみ抜きの方法やコツ」を解説していきます。お困りの方は参考にして、綺麗にしみ抜きしてみてください。
フローリング素材と比べて、畳はしみができやすい素材になっています。これは畳の原料になっているい草の性質によるものです。い草は水分を吸収しやすい特徴があり、お茶やジュースなどの液体をこぼすとそのまま吸収してしまいます。
畳に吸収されやすいものは、ジュースやコーヒー、子どもやペットのおしっこ、血液、インク、灯油やカビなどです。色が濃い液体や、汚れているものがそのまま畳にしみ込むと、しみとして残ってしまうでしょう。
また、しみの定着を防ぐには早めの対処が大切です。原因の種類によって対処法は異なります。しみになりそうなものを畳にこぼしてしまった場合は、種類別の対処方法で原因をいち早く取り除いてください。
ここからはしみの原因になりそうな種類別に、しみ抜きの方法を解説します。どういった種類でも早急に対応するのは共通ですが、方法が異なりますので注意してください。
色の濃い液体をこぼしてしまったときは、すぐ拭き取ることが大切です。ジュースや醤油など、色の濃いものは畳に染み込んでしまうと確実にしみになります。こぼした時点ですぐに拭き取れば、しみになりにくいです。
この場合のしみ抜き方法ですがただ拭き取るのではなく、汚れを吸着するために小麦粉やベビーパウダーを液体のうえにふりかけるとよいです。また、液体の拭き方は、力を入れて拭くのではなく、乾いたタオルに水分を吸わせるように軽く拭いてください。
赤ちゃんやペットが畳におしっこをしてしまった場合は、飲み物と同じように小麦粉またはベビーパウダーをふりかけるのがおすすめです。水分を吸い取ったら、ほうきや掃除機で吸い取ります。
おしっこを吸収させた小麦粉などを吸い取ったあとに、お湯で濡らした雑巾を硬くしぼり拭きます。このとき畳の目に沿って拭いていくのがポイントです。最後に乾いた雑巾で空拭きすれば、においを残さずしみも回避できます。
それでもにおいが気になる方は、アルコール除菌スプレーなどが有効です。
血液や嘔吐物が畳についてしまった場合は、はじめに固形物を広げないように拭き取ります。処理ができたら別の雑巾に漂白剤を染み込ませて拭いていきましょう。このとき大切なのが、色落ちの少ない漂白剤を使用することと、雑巾に移すように叩いて拭くことです。
汚れがひどいときは、直接漂白剤をかけると効果的です。漂白剤をかけてから一晩、ビニールを被せて浸透させてください。翌朝にはきれいになっているので、漂白剤とともにしっかり拭きとっていきましょう。
この方法は酷い汚れにも対応できる一方、畳が色あせる可能性が高いことを覚えておいてください。
プリンターやスタンプなどのインクの場合、慌ててこすってしまうと、汚れが余計に広がってしまうため気を付けましょう。強くこするのではなく、キッチンペーパーを押し当てながら吸着させる方法が有効です。
またインクをある程度吸い取ったら、雑巾に水で薄めた洗濯用の漂白剤を染み込ませてください。その雑巾で叩きながら汚れを拭き取るのがおすすめです。しみがなかなか落ちない場合は、少しずつ漂白剤の濃度をあげて少しずつ汚れを落としていきましょう。
灯油を畳にこぼしてしまったら、まずはキッチンペーパーで油分を吸い取ります。この場合もこするのではなく、叩くようにして油分をペーパーに押し当ててください。
次に粉末の洗濯用洗剤や小麦粉などを汚れに直接ふりかけて、灯油を粉末洗剤に吸い取らせてください。
油分を吸い取った粉末を掃除機で吸い取ったら、消毒用エタノールを含ませた布で汚れを拭き取りましょう。そのあとに濡れ雑巾で拭きあげて、最後に乾拭きをすれば完了です。
現代の住宅環境は気密性が高くエアコンの普及もあり、部屋の温度差があまりありません。そのため、カビが発生しやすい環境になっています。もし畳にカビが発生してしまったら、お湯に漂白剤を入れて、雑巾を浸して固くしぼり拭くのが有効です。
また乾いたタオルにアルコールを含ませて拭いていく方法もおすすめです。どちらの方法も最後にしっかりと水拭きしてから、よく乾かしてください。水分が残るとカビが再発生する可能性もあります。可能であれば、日光にあてて畳を干しましょう。
しみ抜きにはコツがあります。何度か試したけどしみが落とせなかったという人は、この3つの方法を試してみましょう。
しみ抜きで失敗しがちなのが、ゴシゴシと強くこすってしまうことです。強くこすると汚れが余計に広がり、しみの範囲を広げます。またタオルやブラシでこすると、畳がほつれて寿命を短くします。
しみ抜きをするときのコツは、叩くようにタオルを押し当てながら拭くことです。なるべく汚れを拡大させないように、優しく叩いていきましょう。畳にダメージを与えず、しみ抜きすることが重要なポイントです。
漂白剤はしみ抜きに有効なアイテムですが、使いすぎると逆効果になるため注意が必要です。使いすぎると畳が変色してしまい、交換や張替えを考えなくてはなりません。
しみを落とせるのはよいですが、余計な手間や出費は避けたいものです。漂白剤を使用する際は、色落ちしていないか確認しながら使用しましょう。また漂白剤は薬剤の成分が強いため、使用するときは必ず換気するのが大切です。
畳は水分を吸収する特徴があります。しみの原因が違ったとしても、しみ抜きの最後には必ず乾いた布で水分を拭き取ることが大切です。水分が畳のなかに浸透したままでは、カビの発生率が高まります。水拭きやアルコールで拭きあげたあとは乾拭きをおこないましょう。
また、畳は湿気を吸収しやすいため部屋の換気も大切です。水分を十分に拭き取ったあとは、必ず部屋の換気もしておきましょう。カビ予防と畳の長持ちには、最後の水分までしっかりと拭き取り、乾燥させることがポイントです。
畳の上にこぼしてしまったときは早めの対処が重要ですが、時間が経過してしまったしみは落とせないのでしょうか。時間が経過するとおちにくくなりますが、以下の対処法を試してみてください。
時間が経った薄いしみには、水で濡らした雑巾で拭くのがおすすめです。しみが薄い場合は、水拭きだけでしみを目立たなくなる可能性があります。このとき、畳の目に沿って優しく拭くことがポイントです。こすり過ぎると畳が傷むため注意してください。
水拭きをしたあとは、しっかりと乾燥させましょう。乾いた雑巾で水分を拭き取り、換気しながら畳を乾かすことが重要です。
時間が経ってしまった濃いしみは、刺激が少ない洗濯用漂白剤を使うのが有効です。漂白剤を水で薄めたものをタオルや雑巾に含ませて使用します。しみになっている部分を優しく叩くように拭いていきましょう。
この対処法で、時間が経ってしまった濃いしみは薄くなっていきます。漂白剤によって畳が色落ちしていないか確認しながら、少しずつ漂白剤の濃度を調整してください。
畳のシミをつくらないコツは早めに対処することです。しみになる原因はさまざまですが、はじめに原因になっているものを取り除き、そのあとで水拭きや薬剤を使用して拭き、水分を残さないように乾拭きすることが大切です。
また液体や水分を拭くときのコツは、こすらずに優しく叩くことがポイントです。しみや汚れを拡大させないように注意しながら対処してください。畳は使い続けるうちに色あせてしまいます。汚れやしみがひどい場合は、張替えや交換も選択肢のひとつです。