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襖と障子は何がどう違う?構造・特徴・役割・リフォーム術を解説

2025-07-11


和室のリフォームなどを検討する際、襖と障子のどちらにするべきか悩む方も少なくありません。どちらも和の雰囲気をもたらしてくれる昔ながらの建具ですが、その機能や役割は別ものといえるでしょう。

本記事では、これから障子や襖のリフォームをしたいと考えている方に向けて、それぞれの特徴や役割について解説します。さらに、空間をよりおしゃれにできるリフォーム術についてもまとめました。

襖と障子の違いは何?

襖と障子の違いを理解するために、見た目・構造・機能の3つの観点から比較していきましょう。まず、見た目の違いですが、襖は不透明で、和紙や布に模様が描かれているものが一般的です。一方、障子は障子紙を使っており、やわらかく光を通すのが特徴といえます。

構造面では、襖は木枠でできており、表面には襖紙が貼られているため、しっかりとした作りです。それに対して障子は、木枠に薄い和紙や強化紙を貼ったシンプルな構造で、通気性と軽さがあります。

機能の違いとしては、襖は遮音性・遮光性・保温性に優れ、プライバシーを守りたい空間に適しているといえるでしょう。障子は自然光を取り入れつつ、外からの視線を遮られるため、明るさを確保したい場所に向いています。

襖とは?

襖とは、和室でよく見られる引き戸の一種です。木枠に厚紙や発泡スチロールなどを組み合わせ、表面には襖紙や布が貼ってあります。

襖は断熱性や遮音性に優れ、プライバシーを重視する空間に適している建具です。ここでは、襖の詳しい構造やメリット、デメリット、その歴史について解説します。

襖の構造

襖は木枠に紙や布を張り、引手を付けた建具です。本襖(ほんぶすま)と量産襖(りょうさんぶすま)の2種類があり、それぞれ内部の構造が異なります。

本襖

本襖は、奥襖とも呼ばれる伝統的な形式です。木製の格子組に和紙を張った構造で、丈夫さと風合いが特徴です。基本的には、古い襖紙の上から新しいものを重ねて張ることが多いとされています。

量産襖

量産襖は、段ボールや発泡プラスチックを下地に使っており、比較的軽量な点が特徴です。芯材が弱く反りやすいため、頻繁な張り替えには不向きだといえます。

襖紙の種類

襖紙には種類があります。代表的とされているのが、鳥の子紙・糸入り襖紙・ビニール襖紙の3つです。なかでも定番とされているのが鳥の子紙で、古くから定番の襖紙とされています。

一方、糸入り襖紙は麻糸やスフ糸を織り込んだ素材で、その丈夫さと風合いが魅力といえるでしょう。また、ビニール襖紙は汚れに強く、手入れがしやすいため実用的といえます。以下、襖紙の種類についてそれぞれまとめました。

鳥の子紙

鳥の子紙は、雁皮や三椏を原料とした和紙でできた襖紙です。その色味が鶏卵の殻に似ていることから、鳥の子と呼ばれています。時が経つほどに風合いが増し、上品な質感が味わえるのが魅力といえるでしょう。

糸入り襖紙

糸入り襖紙は実用性と風合いを兼ね備えた襖紙です。スフ糸を粗く織って紙を裏打ちしており、強度が高く丈夫な点が特徴です。麻糸やレーヨン糸を使用したものもあり、見た目の美しさにも優れています。

ビニール襖紙

ビニール襖紙は機能性に優れた実用的な襖紙です。水拭きが可能なため、汚れやすい場所に適しています。汚れても雑巾で簡単に拭き取れるので、こまめに掃除をしたいところに向いています。ビニールクロスのような感覚で使えるため、見た目と機能を両立したい方におすすめです。

襖のメリット

現代の住まいにおいても、襖は多くのメリットを持つ建具として活躍しています。ここで、襖のメリットについて詳しくみていきましょう。

断熱効果に優れている

襖は、下地と下張りの間に空気の層をつくる構造となっています。この空気層は断熱材の役割を果たしており、冬は暖かく夏は涼しい空間を保ってくれます。

調湿効果がある

襖は湿度が高いときに空気中の水分を吸収し、乾燥しているときには蓄えた水分を放出するという調湿効果を持っているのが特徴です。湿気がこもりやすい押入れや収納スペースに使用することで、内部の空気環境を快適に保ちます。

部屋の大きさを調整できる

襖は軽量で取り外しが簡単なため、空間の使い方を柔軟に変えられるのが魅力です。閉めれば個室として、開ければ広い空間として活用できます。可動式の間仕切りとしての機能は、現代の住まいでも活躍が十分に期待できるでしょう。

インテリアの一部にできる

襖は建具としての役割だけでなく、室内を彩るインテリアとしても優れています。襖紙のデザインは、伝統的な水墨画から現代風の柄まで豊富です。引手や縁も装飾性が高く、金銀や陶器製など選ぶ楽しさがあります。

襖のデメリット

襖には多くのメリットがある一方で、使用するうえで注意すべきデメリットも存在します。ここで、襖ならではの2つのデメリットをみていきましょう。

一度付いた汚れを落としにくい

襖は紙素材でできているため、汚れがつきやすく、いったん付着すると落としにくくなります。食べ物のシミや手垢などが残りやすく、汚れが付くと見た目の美しさを損ねてしまう可能性もあるでしょう。

種類によっては張替えができない

近年普及しているダンボール襖や発泡スチロール襖は、軽量でコストを抑えられますが、張り替えには不向きです。張り替えができないタイプの襖は、交換のたびに新調が必要となるため、手間や費用がかさむ可能性があります。

襖が使われる場所とその役割

襖は、場所に応じて異なる役割を果たす建具です。たとえば、押入れには押入襖が使われます。押入襖は、裏側に裏張り紙を施した目立たない仕上がりが特徴です。

一方、部屋の仕切りには、間仕切り襖が用いられます。また、和室と洋室が隣接する場合は、片面が襖、もう片面が板戸になった戸襖が用いられるのが一般的です。

襖の歴史

襖の歴史は平安時代にまでさかのぼります。寝所を仕切る間仕切り「衾障子(ふすましょうじ)」が襖の起源です。当初は絹を掛けた板でしたが、次第に紙張りの引き戸へと進化したとされています。

時代が進み、室町時代には絵画を施す装飾性が加わりました。さらに、桃山時代には金箔を使った豪華な襖絵が広まりました。江戸期には庶民の住宅にも浸透し、明治以降は洋室との調和を意識した戸襖も登場したようです。

障子とは?

次に、障子について見ていきましょう。障子は和室に欠かせない建具のひとつで、襖と同様に引き戸として使用されます。木の枠に和紙などが貼られているため、外の光を優しく取り込み、空間にやわらかな明るさをもたらすのが特徴です。

ここからは、障子の構造や素材、さらには歴史やメリット・デメリットまで、詳しく解説します。

障子の構造

障子は、木材で組まれた繊細な格子に、障子紙を片面から貼り付けて仕上げる和の建具です。もともとは手すきの和紙が使用されていましたが、現在では機械すきの和紙や、パルプ・レーヨンなどの合成素材も普及しています。

障子紙の種類

障子紙は、素材や製法によって異なる特徴があります。伝統的な手漉き和紙は、職人が1枚ずつ手作業で漉き上げた風合い豊かな高級品で、柔らかい光を通す美しさが魅力です。

一方、現代では機械漉き和紙が主流です。また、破れにくさを重視する場合には、プラスチック障子紙を取り入れるケースも増えています。

手漉き和紙

手漉き和紙は伝統的な技法で1枚ずつ丁寧に作られ、強度と美しさを兼ね備えています。高級住宅や料亭、茶室など格式ある空間で用いられ、障子ならではのやわらかな光が特徴です。

機械漉き和紙

機械漉き和紙は、木材パルプを使い機械によって作られます。手漉きに比べて生産性が高くコストも抑えられるため、一般住宅の障子に多く使われている種類です。障子の魅力を、手軽に楽しめる素材といえるでしょう。

プラスチック障子紙

プラスチック障子紙は、レーヨン障子紙をビニール素材で挟み込むラミネート加工により、通常よりも高い強度を誇ります。通気性はないものの、断熱性や防炎性に優れ、紫外線カット機能を備えた製品があるのも特徴です。

障子のメリット

障子は、和室だけでなく洋室にも馴染む柔らかな雰囲気を持つ建具です。ここからは、障子を取り入れるメリットについてわかりやすく解説します。

日光を取り入れることができる

襖と障子の違いのひとつに、光の通し方があります。障子は和紙を使っているため、自然光をやわらかく取り込み、室内を均一に明るくしてくれます。直射日光が差し込む窓にも使いやすく、光を拡散して優しい明るさに変えてくれるのが特徴です。

圧迫感が出にくい

障子は襖と違い、圧迫感が出にくいところがメリットです。障子に使われる和紙は適度な透け感があり、光を取り込むことで奥行きのある印象を与えてくれます。サイズが大きくても圧迫感を感じにくく、空間を広く見せてくれる特徴があります。

洋室にも取り入れることができる

障子は和室に限らず、洋室にも取り入れられる建具として注目されています。現代では、アクリル板を使ったモダンなタイプなど、種類も豊富です。採光や装飾性を兼ね備え、洋室のアクセントとしても活躍してくれます。

障子のデメリット

障子にはデメリットも存在するため注意が必要です。ここでは、障子の代表的なデメリットを解説します。

掃除の手間がかかる

障子は、日々の手入れに手間がかかるのがデメリットです。障子は和紙と木枠でできており、とくに組子の細かい部分に埃が溜まりやすく、こまめな掃除が欠かせません。丸洗いもできないことから、定期的なメンテナンスが必要になります。

障子紙が破れやすい

障子紙は和紙で作られているため、非常に繊細です。少しの衝撃でも破れてしまうため、とくに小さな子どもやペットがいる家庭では注意しなければなりません。また、水にも弱く、水回りなどでは使用を避けたほうがよいとされています。

障子が使われる場所とその役割

障子は和室の間仕切りや窓の内側などに使われ、室内にやわらかい光を取り込む建具とされています。ガラス窓がなかった時代には、明るさを確保しながら風や寒さ、視線を遮る役割を果たしていた障子が重宝されました。

和紙には光を拡散する性質があり、室内を穏やかに明るくします。現代では、障子のデザインを模した断熱内窓なども登場しており、見た目の美しさと機能性を両立したアイテムとして人気です。

障子の歴史

障子の原型が登場したのは、平安時代のことです。貴族の邸宅である、寝殿造りの広間を区切るために使われた遣戸(やりど)が始まりとされています。

当時は襖や引き戸、屏風も含めて障子と総称されていましたが、平安後期になると採光機能を備えた明障子が誕生し、襖と区別されるようになりました。室町時代には武家屋敷の書院造りに用いられ、生活のなかで定着したとされています。

さらに江戸時代には、障子は機能だけでなく装飾性も高めていきました。日本の気候風土に適した障子は、時代を超えて今も受け継がれています。

襖と障子をオシャレにリフォームするには?

「部屋をもっとおしゃれにしたい」と感じている方にとって、襖や障子のリフォームは手軽に雰囲気を変えられるおすすめの方法です。とくに、襖紙や障子紙の張り替え、引き手の交換などは、比較的手軽でセンスを活かせるポイントといえるでしょう。

ここでは、千葉エリアの襖・障子・畳のリフォーム専門店「ゆたか畳」が、自分好みの部屋づくりに役立つ襖と障子のリフォーム方法について解説します。

襖紙や障子紙を張り替える

襖と障子の違いを活かしながら空間をおしゃれに演出する方法のひとつが、紙の張り替えです。最近では、カラーや柄のバリエーションも豊富になっており、シンプルな白だけでなく、モダンなデザインや洋室にも合うスタイルが選べます。

引き手を交換する

襖と障子の違いを活かしつつ、手軽におしゃれな印象へ変えたい場合におすすめなのが引き手の交換です。デザインや素材を変えるだけで、部屋全体の雰囲気がぐっと引き締まります。襖の場合は、ドライバーやニッパーを使って比較的簡単に取り外し・交換が可能です。

襖を障子に変える

襖と障子の違いを活かしたリフォームとして人気なのが、襖をおしゃれな障子に変える方法です。襖から障子に変えることで部屋全体が明るくなり、視線を遮りながらも圧迫感を軽減できます。デザイン次第で、空間全体の印象を大きく変えることが可能です。

襖や障子を引き戸にする

襖や障子の枠はそのままに、モダンな引き戸へ入れ替えることで、和室の印象を大きく変えられます。引き戸は開閉がスムーズで、段差をなくす設計もできるため、介護が必要な家庭にも人気のリフォーム方法です。ただし、リフォーム費用がかかることも知っておかなければなりません。

まとめ

襖や障子のリフォームを検討する際には、それぞれの機能について理解しておくことが大切です。メリット・デメリットを理解したうえで、ライフスタイルにあわせたリフォームを行う必要があるでしょう。

千葉県千葉市の「ゆたか畳」では、襖や障子の張り替えを承っております。古くなったり破れてしまったりした襖・障子を、プロならではの方法で剥がしから張り替えまで丁寧に行います。

襖や障子をきれいにしたいという方、張り替えだけで手軽にお部屋の雰囲気を変えたいという方は、お気軽にお問合せください。

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